平成20年度特別講演会 第30回

開催日平成21年2月6日

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講演内容(予定)

有機ELの可能性と将来の夢

有機ELの可能性と将来の夢  大森 裕

有機ELは、応答速度が速い、視野角依存が少ない、薄膜素子、などの特徴を持ち、有機ELテレビ、携帯電話の ディスプレイなどに用いられている。 また、デバイスの作製プロセスが室温であることから、ポリマーを基盤として折り曲げることが可能なフレキシブルなディスプレも実現できる。 溶媒に可溶な材料を用いて印刷技術により、一度に大きな面積にわたり素子を作製することが可能である。 白色光の有機ELは、照明光源としても研究開発されており、発光色を変化させることも可能である。 有機ELの高速の応答性を利用して光信号を送ることも可能で、有機ELの応用は多岐にわたっている。
本講演では、有機ELの研究開発の現状と有機ELの特徴を利用した今後の展開について紹介する。
フォトニックネットワークデバイス技術の研究動向

東京大学  中野 義昭

コアネットワークノードの大容量化、低消費電力化に向けて、光スイッチノードの必要性が高まっている。 光トラフィックのルーティングのためには、様々な新規光デバイスが必要となる。 また、これらデバイスを集積化した光集積回路への期待も高まっている。
本講演では、最近の光ネットワーキング用光デバイス・光集積回路の開発動向について解説するとともに、 そのようなデバイスに基づいて開発された光バーストスイッチングノードに実例について紹介する。
光情報通信分野の最新動向

千歳科学技術大学  山林 由明

今年夏、情報通信分野においては一つの時代が区切られた。
いわゆるFTTH(Fiber-To-The-Home)が世界に先駆けて日本国内で急速に普及しつつ あり、 ついにDSL(Digital Sub-scriber Line)を抜いてブロードバンドサービスプラットフォームの首位に躍り出たのである。 技術面からいえば、光伝送技術者が夢に見た「家庭にも届く時代」の本格到来である。
バックボーン伝送系の大容量化はいっそう加速化し、地上デジタル放送への移行を目前に控えた映像サービズも動きを見せるなど、 このプラットフォームの利用をめぐって多くの関連産業分野でこれに呼応した動向がみられる。
最新ハイパワーレーザとアプリケーション

IPGフォトニクスジャパン(株)  荒木 和成

2008年には、日本国内においても20kWが導入され、国際的には最大50kWが納入され、 また、各分野の生産現場において導入頂いておりますIPGフォトニクス社のファイバーレーザに関して、その発振器構造の特徴と、 それにより実現された高出力・高ビーム品質・省スペースによる既存レーザにはない各種メリット、 及びその適用例に関して、精密部品から重工業分野までの多岐にわたるアプリケーションを紹介する。
また、シングルモードファイバーレーザにおいても、その適用分野が拡がってきており、 最近特に注目されている焦点距離1mを超えるリモート加工等の事例を交えながら、そのアプリケーションに関して紹介する。
最近の加熱する太陽電池市場とその技術

豊田工業大学  山口 真史

太陽電池を用いた太陽光発電は、深刻化する地球エネルギー問題を解決する手段として「2100年には、 世界のエネルギーの7割を占めるだろう」などと、世界中から大きな期待が寄せられている。 技術開発及びドイツなど各国の電力買取制度などの市場活性化策により、太陽電池生産量は、 年率40%以上の伸びを示している。
太陽電池の必要性、太陽電池市場の動向、また、太陽電池のさらなる発展のために必要な結晶シリコン、 薄膜系、超高効率太陽電池など、太陽電池の研究開発動向及び将来展望を述べる。
光導波路を集積した配線板

日本IBM(株)  平 洋一

マイクロプロセッサの性能向上に応じて配線板の電気信号バンド幅を増加させるのには、多くの困難がある。 特に、高速信号特に、高速信号の減衰、劣化を補うため回路の消費電力の増加も大きなものになる。
光伝送を用いた光インターコネクトは、より高いバンド幅・低損失の光ファイバーが用いられているが、 より短距離までの光リンクを可能にするには、新しい技術が必要である。
このために効果的なのは、光リンクつき配線板である。 これら、電気配線板の限界と光配線板の機能、要件及び技術課題を議論する。